Cafe Panic Americana Book Review

管理人・大串尚代(慶應義塾大学)による書評のページ。旧CPABR (http://www.flet.keio.ac.jp/~pcres)からリニューアル。

2013-12-02から1日間の記事一覧

書評『環大西洋の想像力—越境するアメリカン・ルネサンス文学』 評者: 遠藤容代(慶應義塾大学大学院博士3年)

納まりきらないことの魅力 「アメリカ文学」の歴史を考える上で、F. O. マシーセンの『アメリカン・ルネサンス』(1941年)が果たした役割の大きさは、誰もが認めるところであろう。マシーセンは、国家としてのアメリカの隆盛と軌を一にしながら、世界文学たり…

書評『環大西洋の想像力—越境するアメリカン・ルネサンス文学』 評者:坂雄史(慶應義塾大学大学院修士1年)

裏返しのアメリカ文学 私が旅をするのは予見していたことが裏切られ新たな出会いをもたらしてくれることへの喜び、驚き、感動、そういった感情を味わいたいがためだ。竹内勝徳・高橋勤編『環大西洋の想像力』もそうした出会いを私にもたらしてくれた。昨今の…

書評『環大西洋の想像力—越境するアメリカン・ルネサンス文学』 評者:青柳萌里(慶應義塾大学大学院修士1年)

揺らぐ「境界」―大国アメリカの不安と想像力 我々の住む日本という国家は98.5%[i]が単一の民族で構成されている上に、移民政策を積極的に進めているという訳ではない。ガイジンという言葉に代表されるように、日本の多くの人にとって、国家の内と外の区別は…